日本の新しい情報をPOPに「日本人が」、中国語と韓国語で紹介しています

From Publisher

土橋八恵

Vol. 82

ABC, ABJ, ABK

 

親しくしている中国人ビジネスオーナーから「会おうよ」と連絡がきた。新しいメデイアを立ち上げたとかで、アメリカ生まれの中国人ABC (American Bone Chinese)をターゲットにしていると言う。出来れば、ABJ (American Bone Japanese)もABK (Korean)も巻き込めるような物にしたいと、鼻息が荒い。

 

豊かになってからの日本からやって来た「新一世」と言われる我々とABJは、どう繋がっているのだろうか。領事館のサイトにABJ(二世、三世)の方々は、専門職に就いてアメリカの第一線で活躍している人も多く、お互いに理解し信頼し合えればかけがえのない友人となる可能性がある、と記されている。

 

先出の中国人は自身がいわゆる「新一世」。自分の子供も含むABCと、自分たちをどう繋いだら良いのかを真剣に模索している姿に、勇気と感動をもらった気がした。

 

土橋 八恵

 

 

 

 

 

Vol. 81

若者観察録

 

この夏も、日本からの大学生を3週間預かった。ここ数年の彼らは、なんでもかんでもスマホだ。リサーチはスマホでして、パソコンは指示されたパワーポイントのためだけに開けている・・・そんな感じ。メモをとるのももちろん、スマホで、めちゃめちゃ早い。「スマホでメモを取っていると、遊んでいるみたいに思われるんですけど、こっちの方が早いんです」とは、本人達の言葉。

 

それから、写真のセンスがいい!料理写真なんて、角度を付けてカッコ良く撮るし、並べ方だって上手い。「インスタ映え」が大事で、写真に「いいね!」が沢山つくと嬉しいと言う。「いいね!」のためだけ?と質問を続けると、その答えは本人達にもよく分からないらしい。

 

仕事を休みます、の連絡も、ありがとうございました、のお礼も、LINEでながーい文章が入ってきた。しっかり心のこもった、素晴らしい文章だった。以前、イマドキ新入社員がLINEで「会社辞めます」と連絡してきたとの記事を読んだ。社会の常識や礼儀ってなんだろう?

そう言えば、20代のころ「新人類は礼儀を知らない」って言われたなぁー。

 

土橋 八恵

Vol. 80

最近あったこと、思ったこと

 

とある中国系企業から、ウエブサイト用の、英語から日本語への翻訳の話しが入ってきた。「うちは、日本に本社がある日本の会社だから、サイトには日本らしい日本語を掲載したいの」と、強い中国なまりの英語で語る担当女性。その会社をネットでチェックすると、今話題の中国企業だった。

「異文化の架け橋になる」「日本企業を海外から応援する」、そんな思いで立ち上げたJ-goods。中国企業から「日本らしい日本語が書けるだろう」と、声を掛けてもらえたのは、光栄なことなのだが・・・。

 

J-goodsが使っている中国文字は「繁体字」。大陸の人たちが使う、簡略化された「簡体字」とは違う。これまでは、アメリカで出る活字は「繁体字」がほとんどだった。しかし、最近Arcadiaで見かけた、美容整形のビルボード。使われていたのは、大陸の人たち向けの簡体字だった。また、簡体字を使った若者向けのフリーペーパーが創刊された。が、これは一年経たない今月廃刊になった。

流れが速い。移り変わりが激しい。

 

ビバリーヒルズの高級寿司屋に行った。店内は15ほどのカウンター席のみで、完全予約制のおまかせ料理を楽しむ。訪れた日は、日本人客は我々3人のみ。あとは上海から来たというカップルと、恐らく台湾系と思われるグループだった。彼らはとても洗練された雰囲気で、優雅に上品に寿司を嗜んでいた。因みに、カップルの女性は驚くほどの美女だった。

そう、オシャレなのだ、何もかも。様々な場所で見かける中華系は、洗練され、自信に満ちあふれた笑顔で、人生を謳歌しているように見える。SNSで大きな影響力を持つ中華系のインフルエンサーを集めた、J-gourmet Team。このチームメンバーが集うFacebookにポストされる写真やコメントも、なんだかいつもド派手だ。春は日本で桜と一緒に写った写真がたくさん上がっていた。この夏は、ヨーロッパやオセアニアに行っているらしい。三つ星の高級レストランで、オーパスを開けているポストも見かける。

やっぱり贅沢は素敵なんだよね。

 

土橋 八恵

Vol. 79

最近感じたこと

 

中国人と中華料理を食べに行くと、彼らは、肉・魚がメインで、あまり野菜類を注文しないなーと、前から思っていた。それについて、どうしてか聞いたら「野菜は安いからね。お客さんと一緒に外で食べるときは、あんまり注文しないかもね」と言われたことがあった。

よく行く飲茶でも、日本人と見ると、カートのおじさんが「ヤサイ?」と言いながら、チャイニーズブロッコリーを勧めてくる。日本人はやたらと野菜を食べたがると思われているのかなとか、逆に中華系は、あまり野菜にこだわらないのかなぁと、そんな印象を持っていた。

ところが最近、週末に行くファーマーズマーケットで、中華系の人たちをかなり多く見かけるようになった。以前はほとんどいなかったのに。家族でやって来て、産地直送、オーガニックの野菜や果物を大量に買っている。話題のホールフーズでもよく見かける。意識が変わってきたんだなとつくづく感じる。

今後の動きとして個人的に注目しているのが、サイクリング。山道を自転車で爽やかに汗を流してるアジア人は、今の所、日本人と韓国人が多い。が、近々、ド派手な自転車に颯爽とまたがる中国人の集団を見かけることになるんじゃないかと、予想しているのだ。

 

土橋 八恵

Vol. 78

全米に配布しています

 

「テキサスのスーパーに置いてありましたよ」と、知人から連絡をもらった。「他州から商品への問い合わせが入りました」と、クライアント様からとても嬉しいお言葉を頂いた。おおお、全米配布ってこういうことかぁ。
さて、一つ新しいことを始める。目次の下に自社広告を入れたが、これまでやっていた、SNSで影響力のある中華系を集めて情報発信するプロモーションを、中華系だけでなく、米系、いわゆるアメリカ人にも発信する。米系のインフルエンサーと繋がるプロモーターと組み、中英にリーチしちゃおうという魂胆。
紙媒体って必要なの?と営業先でいわれ続けてきた答えの一つ「両方必要です」を、アピールすべく、雑誌とネットの両方を使って、色んなプロモーションをやっていこうと画策している。

土橋 八重

Vol. 77

全米に配布いたします

この度J-goodsは、全米配布の日本語情報誌Frontlineと共同で印刷・配布をする事にした。全米33州約300カ所に月刊で配布する。
今やアメリカ人口の1%以上が中華系、ということは300万人以上。中国語でリーチ出来るのは500万人以上とも言われている規模の市場に、創刊から14年目にして直接アプローチすることになる。全米の読者からどんな反応が届くのか、ドキドキ・わくわくだ。
表裏が逆さまになった表紙はちょっと斬新だし、少ないページ数でスタートなど、これまでと違う事も多いが、それを楽しみながら、今まで以上に日本の文化や商品を丁寧に伝えて行きたいと思う。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

土橋 八恵

 

Vol. 76

新年快樂・恭喜發財

毎年この時期になると、この挨拶を本誌に入れている。今年の中国正月は、1月28日だった。「明けましておめでとう、今年もしっかり儲けましょう!」新年の挨拶に、中華系の生きる力、生き抜く力が凝縮されていると、毎年感心する。相手に対して「よろしくお願いします」とお願い事をする日本人に対して、「とにかく儲けよう」と声を掛けう中国人。そりゃあ、今の彼らがどんどんお金持ちにもなるわけだ!と、また改めて納得する。

 

2016年で、日系の無料誌が幾つか廃刊になった。無料誌界の老舗的存在だったものから、ニッチマーケットを狙った雑誌まで・・・。無料誌に限らず、紙媒体にとって、過渡期にさしかかっていることは間違いない。

一方中華系、わかる範囲で昨年2つの無料雑誌が創刊された。子供家庭に向けた情報誌は、子供同伴歓迎のレストランや教育、遊び場、子供服などの情報が入っていて、しかも子供の写真が小ジャレている。もう一冊は、オシャレ雑誌。ネット通販と無料誌をコラボさせ、かなり洗練された作りで、これまでの中国語雑誌とは全く違うデザインに驚かされた。

もっとも中華系の無料誌市場は、とても出入りが激しく、新しい雑誌が出来ては1年も続かずに廃刊になることもざら。儲かる!と思ったらすぐに飛びついて実行に移し、難しいと感じたらすぐに引く。すべてにおいてのスピードが、日本の10倍速い。

 

そんな様子を、何となく中に入りながら味わい続けて14年。知り合いの中国人からは、おまえは頑張っているのに、あんまり儲かっていなさそうだなと言われ続けて14年。儲けさせてやる!と話しをもらっても、結局そのスピードとパワーについて行けず、飛びつかずにきた。これが良かったのか悪かったのか。でも、皆様のおかげで、今も続けさせて頂けている、それで良いのだ、と改めて皆様に感謝する、中国正月だ。

 

土橋 八恵

 

Vol. 75

営業先で「今は、みんなyelpを見て来るんだよね」と、言われる。どこかで偶然目にしたり、小耳にはさんだりした情報を、もっと詳しく知りたい、料理写真が見たいとyelpをチェックし、実際の来店に繋げる人は多いだろう。yelp、紙や電波媒体、それぞれの良さと違いを説明しながら、改めてyelpパワーを感じるこの頃。
先日中華系の知人から、「日本語の出来るMCを探しているんだけど、プロじゃなくて留学生でいいから」と言われた。仕事は1時間弱、日英で台本通りの簡単な司会が出来る人に$400払うと。えっ、プロじゃなくて$400 ?! スケジュールが合うなら、やりたいくらいだった。
ここ数年で、中華系の人件費の考え方が大きく変わったように思う。10年以上同じ会社で働く人も多く、ビジネスオーナーに聞くと、かなりの好待遇をしていた。日本企業でも働いた経験のあるそのオーナーは、日本の会社よりも中華系の方が、今は待遇が良いと話していた。うーん、これも中華パワーなのか。

Vol. 74

本誌制作最終日の今日、地元山梨の母校では伝統の行事が行われていた。男子は103㎞を一昼夜掛けて、甲府から小諸まで歩く。女子は早朝5時頃から42㎞。行事を手伝いに行っている同級生達が、次から次へと状況をFacebookに上げてきた。すごい世の中だ。アメリカにいながら、地元の興奮や感動を垣間見ることが出来るなんて。
1924年始まったその行事、教師だけでなく保護者やOBなど約1000人以上がボランティアでサポートしている。参加全生徒が1000人くらいだとすると、ほぼ同数のサポーターがいることになる。そういえば私が高校生の時も、父が仕事を2日休んで手伝っていた。当時は気づかなかったなぁ、そんなに多くの大人達の温かい想いが集まって、やらせて頂いていたなんて。
不眠不休で現場を支える同級生の深夜のポストには、頑張る若者の姿は美しいとか、感動をもらった、とある。行事を手伝った多くの人たちに感謝をしながら、いつか私も恩返しをしたいと地元に思いを馳せ、入稿最終チェックの夜は更ける。

土橋 八恵

Vol. 73

スーパーマーケットいろいろ

 

Paros Verdesの人種別人口は、1位のいわゆる白人に次いで、2位は今や中華系。私がよく行くSouth BayのFarmer’s Market やTrader’s Joe、そしてWhole Foodsでも、若者だけでなく、ちょっと年配の中華系夫婦を多く見かけるようになった。興味深くカートをのぞくと、オーガニック食材や冷凍食品、調味料を買っている。もっともWhole Foodsの試食コーナーで、一人でたくさん食べているのも彼らで、「お一人様1回限り」のサインが最近貼られたのは、それかも。
Torranceに韓国系の大型スーパーH martが開店した。全米で50店舗以上を展開する、超イケイケの店。店内を少し暗めにし、商品に直接照明を当てる見せ方は、米系高級店っぽい。週末は所狭しと試食デモが出て、驚くことに白人が積極的に試食しながら、韓国のトッポギやビビン麺を購入している。

 

さて、我らが日系スーパー。確かにアジア系のお客さんが多い。特に催事があるときなど、日本直送の高級食材を並んで買っているのは、中華系・韓国系だ。以前はレジャー感覚で日系スーパーに遊びに来ていた中華系が、今は日常的に日々の食材を買っている姿が目に付く。

買い物一つとっても選択肢が多岐にわたるのが、ここアメリカだなー。

 

土橋 八恵

Vol. 72

夏は、日本との関連事業がいくつか始まる

 

地方の物産品の中から、輸出の可能性がある商品を探る事業。8月から来年2月までの7ヶ月間、毎月30品目、月替わりでアンケートを採る。どんな商品が来るのか?そして実際にこちらの消費者の感想はどう出るのか、色々考えると、わくわくしてくる。

 

日本の地方都市から、海外へ発信する若者を育てるプロジェクト。これまで、日本の大学生をインターンとして受け入れることはしてきたが、今度は社会人。学生のように、将来はまだはっきり見えていないけど、何かを学びたい、感じたいというスタンスとは違い、目的がはっきりした社会人がやってくる。どんな関わりになるのか、その人たちから学べることも多いだろう、これも色々考えると楽しくなってくる。
日本を離れて、ン十年、こうして日本と関わり深く仕事が出来ることを幸せに思う。

土橋 八恵

Vol. 71

Team J-goodsの自慢をさせてください

 

今回は編集後記に、チームJ-goodsのプロフィールを載せた。

日本語、実は雑誌にしないのがもったいないほどの文章なのだ。実際クライアントから、「文章が素晴らしい」と褒めて頂くことが多い。(www.j-goods.usで日本語版は読めます)中国人読者から「J-goodsは、良いライターがいるんだね」と声を掛けられた。これは、翻訳文ではなく、読み物として読者に伝わる文章になっている証拠。デザイン、これは雑誌を見たらわかって頂けるハズ。

 

この最強メンバーと作っているのは、雑誌だけではない。

先日Costa Mesaに開店した日系スーパーの店内展示物のコピーライティングとデザインをやらせて頂いた。店内を見て「うん、いいね!」と一人笑顔になってしまった。日本語コピーも英語コピーもいい、デザインもわかりやすくていい。

スミマセン、すごい手前味噌ネタで。

土橋 八恵

Vol. 70

毎年10人近くの日本や当地の大学生を、インターンとして受け入れている。

そんな学生さんから、時々便りが届く。同時期にインターンをしていたUCLAの学生との出会いがきっかけで、日本の大学をやめてアメリカ留学を決意した学生。日本とアメリカの学び方の違いに驚き、将来的に国際舞台で仕事をするなら、アメリカで学びたいと考えたと言う。ここで日本食材の可能性に触れた学生は、酒造メーカーから内定をもらい、いずれアメリカや世界の市場を広げられるよう、営業を担当したいと手紙をくれた。大人しく研究肌タイプだと感じたが、自分で酒を売り込みたいと強く思ったと言うから、彼女にとってアメリカでの経験は、よほど大きなインパクトだったんだろう。

さて、この雑誌を配布する頃には、また2人の学生さんが日本からやってくる。どんな出会いになるのか、何を感じてくれるのか、あのキラキラした眼差しに会えるのが今から楽しみだ。

土橋 八恵

Vol. 68

アメリカで使われている、食品関連の日本語を調べている。先駆者Sushi、Tempuraに続き、今やRamenやTeriyaki、Sake、Mochi、Edamame、Miso、Wasabiは定番。最近では、Wagyu、Matcha、Tamari、Izakaya、Sashimi、Uni、Yakitori、Shabu Shabu、Okonimiyaki、Udon、Onigiri、Bento、Daikon、Shiitake、Yuzu、Azukiなどなど、えっ、これも?と思うような品さえ、ローマ字表記した日本語名で、レストランのメニューやスーパーの棚に並んでいる。米系の健康食品業界では「日本=健康的」のイメージから、日本の伝統的な食材にも注目しているとの記事もあった。

以前にもこで書いたWagyu。日本の和牛の種を運び、アメリカやオーストラリア、さらには中国で育てた牛もWagyuを名乗っている話。日本産正真正銘の和牛は、今アメリカ市場で和牛より安価なWagyuと競合している。

 

アメリカ市場に参入する日本食材が増えるのは、喜ぶべきこと。しかし、Wagyuのように、特殊な生産方法で手間をかけるから高価になる一種のブランド銘柄については、ブランドの定義や商標登録など、海外進出に先駆けて、手を打つことがたくさんありそうな気がする。

 

今、特に気になっているのはMatchaだな。

 

土橋 八恵

Vol. 66

先日、3泊の強行スケジュールで、高校の同窓会のためだけに帰国をした。同学年だけで200人近くが集まり、同窓生全体では1000人以上が参加した。卒業以来はじめて会う同級生も多く、思い出せるかな?覚えていてもらえているかな?そんなドキドキ感も楽しかった。
アメリカで生活している人は、日本の人より若々しいと言われることもあるが、今回あらためて見回すと、いや、そうでもないぞ!美魔女ブームの影響か、女性のきれいなこと。確かに同窓会に参加する人だからかもしれないが、みんな大人女性としていきいき輝いて見えた。子育てを終えて、自分の時間を丁寧に過ごしている人、現役で働き続けている人、独身のままの人。みんな、それぞれの人生をしっかり生きてきたんだなぁー。男性も見た目が変わる人も多いと聞いていたが、意外や意外、みんなかっこいいぞ!
そんな訳で、ちょっとした命の洗濯をした気分の三日間だった。

土橋 八恵

Vol. 65

10年前と比べ、ここLAのラーメン事情は激変した。日本全国の有名店や人気店が多数進出し、LAはさながらラーメン博物館だ。日本と変わらぬ味にこだわり、材料、スープ、水、小麦粉の配合を工夫する。個人でこだわりのラーメンを作る“ラーメン職人の店”も増えた。独自のスープに合うのはやっぱり独自の麺とばかりに、製麺機を設置する店も出てきた。

ラーメンブームにあやかり、中華や韓国、ベトナムの麺料理も注目されている。中華の牛肉麺、韓国の冷麺やカルグクス(うどん)、ベトナムのフォー、どれも美味しい。

が、しかし、すごく美味しい時と、あれ、今日は麺が茹ですぎとか、スープが薄いとか、味にばらつきがあるのに気付いた。もっとも、そのばらつきを全く気にしない料理人と、気にする風もない客。

一方の日本食、いつでも同じ味にするために、天候、湿度、素材の変化をも受け入れ、それでも同じ味になるよう工夫研究を重ねる。

ラーメン取材を通しても感じた日本人気質。こんなに違いがあるんだ、と改めて感心して感動した。

Vol. 64

アメリカで意外な使われ方をしている、日本の食材についてリサーチしている。

頻繁にスーパーに通い、棚をのぞき込み、商品の裏面を真剣に見ていと、隣でもアメリカ人女性が裏面をしっかり読み込んでいる。何が入っているのか、何が使われているのか、自分で確認して、納得してから購入する人が多いのに気付いて面白い。

すでに日本のメディアで、人気ぶりが頻繁に取り上げられている、枝豆。米系スーパーの棚には、「EDAMAME」と銘打った様々な商品が並ぶ。冷凍食品コーナーには、ゆで枝豆から自分でゆでるもの、むき身も。さらにEDAMAME入りと、わかりやすくパッケージに書かれた総菜もある。スナックコーナーでは、枝豆チョコレート、枝豆クラッカー、フリーズドライ枝豆や、節分に蒔く大豆が「Dry Rousted EDAMAME」として売られている。そう、枝豆は、大躍進なのだ。

意外な使われた方では、しらたきも上げられる。ゼロカロリーのダイエットヌードルとして、わかりやすいネーミングで米系スーパーの棚に並び、パスタ代わりにソースとあえて食べるよう紹介している。ネットで調べると、しらたきを使ったクッキーやピザ、プリンなども登場していた。

グルメ雑誌のレシピで「TAMARI」の文字を見たときは驚いた。ハイエンドスーパーの冷凍コーナーで、タレに漬け込んだ魚の裏面に、生姜やガーリックと並んで、たまり醤油と記してあった。和食人気と、異常なまでのグルテンフリーブーム、ふたつの要素から浮かび上がってきたのが、小麦を使わず大豆だけで発酵させる、たまり醤油だったらしい。

健康イメージから和食は人気がある。が、最近は和食だけでなく、アジアの食全体に、いわゆるアメリカ人が興味を持っている様に感じる。韓国人の間で大人気、連日長蛇の列の焼き肉屋がLA Timesに取り上げられ、今やアジア人以外も列を作り、最も入れない焼き肉屋になってしまった。また、ホルモン焼きで人気の店にもやってくる。中華の鍋料理屋でもアジア人以外の顔を見かける。もちろんベトナムのフォーにもだ。

あるクライアントさんが、「美味しいは世界を救う」と話していた。ここまで食の垣根が低くなった様子を目の当たりにすると、本当に、美味しいは万国共通なんだとつくづく感じる。

Vol. 63

先日、米系の食品工場に行ってきた。見学者は出入り自由。Tシャツ姿のおにーさん達が、段ボール箱から取り出した果物を切って、入れていた。

以前見学した日系の工場では、除菌済みの割烹着みたいなのを着て、キャップをかぶりマスクをして、風圧で除菌する部屋に入って、やっと工場への立ち入りが許された。

調べてみると、日本企業の衛生管理システムや意識はダントツに高い。しかし、日本人にとっては当たり前なので、そのことを外に大声で伝えることはしていない。

日本のTVCMのコピーで“ほどほどの安心なんていらない”というのがある。オーガニックや健康にこだわるこの国だからこそ、日本人がいつもやっている当たり前を、もっともっと伝えたらいいのに。日本人がこだわる安心も安全は“ほどほど”じゃないんだと。

と言うわけで、せめてJ-goodsで伝えようっと。

Vol. 62

アメリカ人向けのチラシ制作のお仕事を頂いた。競合するであろう企業の媒体を集め、じっくり見るといろいろな違いが判って面白い。

日本語で広告を作るとき、「わかりやすいように」「情報が混乱しないように」を大切に考える。この文言の横には、写真を入れた方がわかりやすいよねとか、地図はこっちにあったほうが親切だよねとか。そう、日本やアジアの広告は、とにかく親切なのだ。そこまで言わなくてもよいのでは?と思えることまで、説明を入れる。だれもが見間違いをしないチラシをつくる。

一方米系は、受手にとって多少不便でも「知りたければ調べるでしょ」「じっくり読めば判るよ」的な姿勢。リーチしたいターゲットによっても作り方が明確に違う。富裕層向けスーパーのチラシは、文字が多くてまるで情報誌。日本のスーパーのチラシとは全く趣が違う。

以前何かの記事で、「日本は読者を甘やかしすぎている」とか「むしろ読者をバカにしている」と、ある制作者の辛口コメントを読んだ。

なるほど、そこまで言わなくても、そこまで見せなくても、受取手はちゃんと理解している・・・・か。いや、はたして本当のところ今の日本人はどうなんだろう? 自分も含め、読解力が落ちているのでは? と心配する事もある今日この頃である。

Vol. 61

今号は、至る所にドラえもんが登場している。先の、アメリカ進出お披露目会で、「アジア各国での認知度の高さを最大限に活用して、まずは在米アジア人を巻き込んで行きたい」と、関係者。であればと実現した、ドラちゃんと本誌のコラボ。

表紙や特集ページにドラえもんを配置してみて驚いた。ドラちゃんは、とにかくカワイイのだ。どこから見ても、どう配置しても、ちゃんと主張する、ちゃんとカワイイ。制作をしながら、なんとなくドラえもんに癒やされてホッとしたり、やわらかい気分になったり、さすがだ。ドラえもんってスーパースターなんだなぁーと、改めて感心した。

Cool Japanの騎手として、そして友好のアイコンとして、これから全米で大活躍してくれる事を期待しつつ、アメリカ進出の第一歩に携われたことを嬉しく思っている。

Vol. 60

前号の特集で和牛について調べるうちに、Wagyuという言葉の使われ方が、どうしても気になった。

日本の牛の種を運び、アメリカでオーストラリアで、そして中国で育てた牛が、今Wagyuを名乗っている。Kobe Beefを名乗っている。日本のテレビで、オーストラリアの生産者が「Wagyuに日本産もオーストラリア産もない」と語り、Wagyu認定書まで発行していた。

正真正銘日本産の和牛とアメリカ、オーストラリア産のWagyu。見た目だけでなく味の違いも歴然。その分、値段の違いも歴然。しかし、消費者には、そこまでの違いは伝わっていない。

どうする日本?どうするジャパンブランド。

いっそのこと、Wagyuという言葉を、彼らに渡してしまい、日本産の本物の和牛については、Japan BeefとかJapangyuとかを名乗ったらどうだろう。産地別ではなく、オールジャパンでWagyuと区別したハイエンドブランドとして勝負する。Kobeが最高級牛の名前として、認知されているのなら、Kobe Ushiとか、Kobegyuとかの名称も悪くない。ただし神戸産じゃなくても、世界向け日本産和牛はすべてkobegyuを名乗らなくてはならないので、それぞれの産地の納得と協力が必要だろうが。

世界と戦うために、それぞれの産地、協力できるのかな?

いずれにしても、なんだか悔しいなぁーと思いながら、和牛号を発行したのであった。