進化するラーメン
丼の中の小宇宙
Vol. 65
「ラーメン大好き!」 アメリカで、フランスで、世界中で、ラーメンファンが増え続けている。人々を虜にしてやまない、その秘密はなんだろう。
ラーメンの魅力は豊かな香りと、一度食べたらクセになる、あの味。様々な野菜や肉、魚介類を煮込んで作るスープには、グルタミン酸やイノシン酸などの、Umami成分がたっぷり! 丼という小さな宇宙の中で、Umamiのビッグバンがおきているのだ。Umamiの記憶は舌に残るというから、それが人々を引きつけて、またラーメンが食べたくなるゆえんかもしれない。
さらに、ラーメンは、麺+野菜類(食物繊維やミネラル)+卵や肉(タンパク質)。手軽に食べられて、一杯で食事としての栄養バランスもバッチリだ。そんなところも愛される理由だろうか。
そしてラーメンは、日々進化を続けている。日本では今、人気の豚骨、醤油、味噌のほか、様々なスープ、様々な具を使ったものが、続々登場している。意外なスープとの組み合わせで生まれる、新しいおいしさ。贅を極めた具や、見た目のインパクトが大きいもの。中には、すでに、定番の味となりつつあるものも。
日本のラーメンは今、多様化の時代。
おいしさを目指して進化する、ラーメンの「今」、を見てみよう。
ラーメンの基本
ラーメンの味を決めるのは、タレ+スープ。
タレ
醤油だれ、味噌だれ、塩だれ
スープ
鶏ガラ、豚骨、野菜などを煮込んで作る。
つまり、醤油だれ+豚骨スープ=豚骨醤油ラーメン、になるわけだ。それに、麺と具をプラスするとラーメンのできあがり!
麺
細麺、中麺、太麺など
具
肉
豚バラチャーシュー、牛肉、挽肉など
魚貝類
あさり、えび、いかなど
野菜類
もやし、ねぎ、キャベツ、人参、玉ねぎ、メンマなど
その他
卵、海苔など
組み合わせは無限にある。つまり、ラーメンのおいしさも無限にあるということだ。
豚骨の次にくるのはこれ!?
変わりスープのラーメンあれこれ
カレーラーメン
カレーの豊かな香りとラーメンのスープが見事に調和。まろやかな中に感じる、スパイシーな余韻が魅力。
トマトラーメン
日本では、すでに専門店もある、人気の味。トマト本来の味が楽しめるコクのあるスープ。甘味と旨味が麺に絡んで、絶妙のハーモニー。
ポタージュラーメン
日本の芸能人が考案して、実家の料理店で出したことで、人気に火がついた。野菜たっぷりでヘルシーと、女性に大人気。
牛乳ラーメン
醤油ベースに牛乳を加えることで、醤油の味がマイルドになって、やさしい口当たりに。「旨いっ」と「ちょっと苦手」と意見が分かれる、話題の一品。
意外なトッピングも続々登場
見た目のインパクトに、えっ!?
ベースとなるラーメンはごく普通に醤油や味噌味。でも見た目がすごい! と評判の店も。見た瞬間、「わっ」と声があがる、ドンブリからはみ出る、まるまる一匹のタラバガニやロブスター! 人気の酸辣湯風に、あんかけ豆腐をトッピングしたり、日本には、まる一枚分の金箔を自分で砕いてふりかける贅沢を楽しめる店も。また、日本の種子島で探査機の打ち上げを記念して作られたラーメンは、なんと、醤油ラーメンにパンをトッピング。意外な組み合わせと意外なおいしさで話題になった。
唐揚げや、麻婆豆腐を乗せるのは、すでに定番。てんぷら、松阪牛などなど、新しいトッピングが続々登場中。進化するラーメンから目が離せない!